暖房にエアコンと灯油どちらを使う方がコストが安いか
大前提として電気代と灯油代だけで議論します。機器の価格には一切触れません。
エアコンと石油ファンヒーターを使うのではどちらが安いのかという議論。エアコンのほうがヒートポンプを使うので効率が良いとか、エアコンは雪が降ると効かないとか言われていますが、具体的なデータは少ないです。そこで、我が家の2年間のデータを用いて議論してみたいと思います。
令和2年度と令和3年度(今シーズン)の冬場の電気使用量と灯油購入量及び料金(価格)を下の表にしています。ただし、使用量はすべてに定数を乗じていますので実際の値ではありませんが、結論に影響をを与えません。今シーズンは原油の値上がりが大きいので、意識的に灯油ファンヒーターの使用を減らし、エアコンを使用を増やしました。
電気は12月分から3月分まで、灯油はひと冬分とします。電気は例えば12月分は11月11日〜12月10日までとなります。
なお、当地は但馬の寒冷地ですから雪降りの日が結構あり、雪が降るとエアコンの効きが非常に悪くなります。よってエアコンだけというのは真冬は無理です。
当地の灯油価格は全国的にみてもかなり安いほうです。電気は深夜電力ではなく、普通の契約です。灯油、電気とも単価はやや安いといえます。
年度 | 令和2年度 | 令和3年度 |
電気使用量(kwh) | 1474 | 2342 |
電気料金(円) | 35072 | 64308 |
kwh単価(円/kwh) | 23.8 | 27.5 |
灯油使用量(リットル) | 788 | 433 |
灯油料金(円) | 52909 | 38685 |
灯油単価(円/リットル) | 67.1 | 89.3 |
まず、2シーズンとも暖房総出力は同じとして、2年度の灯油使用量が3年度では減少してその分がエアコン使用に転換したとします。灯油1リットルの暖房出力と同等なエアコンの電力を求めます。
灯油1リットルと同じ暖房エネルギー電気使用量を r(kwh) とします。
(A) r=(2342-1474)÷(788-433)=2.445
令和2年度の単価では灯油1リットル使用すると 2.445×23.8=58.2 円電気使用量が減ります。58.2÷67.1=0.87となり、電気の方が13%安い
令和3年度の単価では灯油1リットル使用すると 2.445×27.5=67.2 円電気使用量が減ります。67.2÷89.3=0.75となり、電気の方が25%安い
昨シーズンと今シーズンでは、今シーズンの冬の方が寒く、暖房エネルギー使用量が多いと思われます。
昨シーズン 灯油aリットル、電気p(kwh)
今シーズン 灯油bリットル、電気q(kwh) a>b、p<qとします。(昨シーズンより今シーズンの方が灯油を節約)
今シーズンの方が寒いので
灯油aリットル、電気p+e(kwh) (e>0として)で今シーズンと暖房エネルギーが一致
a-bリットルの灯油を q-(p+e) (kwh)の電気に置き換えました。
灯油1リットルをr (kwh)の電気に置き換えると
r=(q-(p+e))/(a-b)この値が真の値ですが、これは(q-p)/(a-b) より小さいです。
(A)で求めたrの値は実際の値より小さいと思われます。
結論・・・・表の単価の場合、電気のエアコンの方が灯油の暖房よりコストが安い。
ただし、灯油の価格が1リットル50円以下の場合は灯油の方が安いかも知れません。また、エアコンは外気温・湿度によって効率や暖房出力が大きく変わることも注意です。
単純な議論でしたが参考まで